4月17日、18日の2日間、全国から100人が参加して”きらめ樹”(皮むき間伐)の体験ツアーが行われた。
何だろう?皮むき間伐って???
実は、4月〜8月の間だけ木の皮がつるりとむけるのだ。
木の皮をむくと、木は上に水を送ることが出来なくなり、枯れる。
枯れると葉が落ちて太陽の光が入る。
そして、この枯れた木を1年〜2年後に伐る。
その時、含水率30%を切り、重さは3分の1。
女性でも軽々と持ち出せる。
しかも、
自然乾燥だから、高温乾燥のような木の狂いがない。
さて一日目。
早朝3時に金沢を出発した3人組は9時に集合場所、南部町役場分庁舎に到着。
同じ金沢から出発したダイモンシステムのメンバーも先に到着。
さあ、出発!
この、皮むき間伐を”きらめ樹”と名付けて、全国に広めようと活動する熱き男=大西義治さん。
この話が熱かった。
我々日本人は”森の民”であるという。
我々は森の中で生きてきた。
国土の70%が森林。
だが、そのうちの70%もが人工林である。
つまり国土の半分が人工林なのだ。
戦後、原生林をどんどん杉、檜に植え替えた。
人工林は、常に手入れしなければならないが、安い輸入木材を使うようになって、森は放置されてしまった。
放置林は光が入らず真っ暗で草花も育たず動物も鳥も来ない荒れた森になってしまった。
その結果、表土が流れて土砂災害が発生し、生息地を奪われた熊やイノシシが人里に出没し野菜が作れなくなった。
一方、海外の原生林を伐りつくしている。
アマゾンでは原生林に光が入ると土が硬くなり、ツンドラ地帯では、永久凍土が溶け始めている。
日本に美しい森がよみがえることは、世界の森が救われることなのだ。
森に光を入れてやると、そこからいろんな広葉樹が芽吹いてくる。
植林をしなくても、森はよみがえる♪
皮をむくだけで、こんなにすごいことが出来るなんて、感動。
山にご挨拶。
その後、お神酒、お塩、お米を木のまわりに撒いて間伐の手本を披露された。
注意事項で、昨日捕えられたマムシ君のアルコール漬けが。(まだ生きていた)
山ビル対策として塩水スプレーも。
間伐の目安は、1ha当たり40uの断面積以下にする。
1辺10mの100u当たり直径32cmの木が5本が限度ということ。
いよいよ皮むきを始める。
まず、のこぎりで皮だけを切る。
次に、竹ヘラで皮を剥がし、10cm位をつまんで引き上げると面白いようにむける。
幅1mでも枯れるが、出来るだけ高いところまで剥く。
これで終了だ。超な簡単な間伐だ。
剥いておくと虫がつかない。
逆に、皮がついている処は虫が付いていた。
(翌日判明した)
終了後、みんなで温泉へ。
温泉の中で、田中優さんを中心に話が盛り上がった。
夜は南部町後援の「アースデー南部2010「LET’Sきらめ樹」というイベントが用意されていた。
町会の幹部と、田中優さん、てんつくマン、大西義治さん、古川正司さん達のトークライブ、おまけにおかんの歌まで。
宿舎は35km離れた静岡県の富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ。
第2日目
朝目覚めると、目の前に富士山の偉容が飛び込んできた。これは感動ものであった。
直線距離で13kmのところにいるのだ。
2日目はいよいよ伐り倒し作業である。
2年前に皮がむかれている。これを伐るのだ。
まず、倒す方向を決める。
次に鋸で裏側に水平に4分の1まで伐り込み、斜め45度に伐り取る。
さらに表側から5mmほど残して水平に鋸で伐る。
最後に、鋸の隙間にてこを入れて起こす。
枝が引っかかって倒れないときはロープで引き倒す。
お昼を食べてから、さいかい産業の古川さんが、現地でペレットを作り、ストーブを見学した。
倒した木の枝をチッパーで粉々にして、乾燥機をかけて水分調整してペレッタイザーでペレットにする。
ダイモンシステムが、ストーブの排気熱を利用してオンドルを作ってきていた。
森の樹を利用しつくすこのシステムにみんなまた感動。
最後に、2日間の総括と感謝のミーティングをして、記念撮影。
濃い2日間の出来事をしっかり抱きしめながら、それぞれ帰途に就いた。
石川からツアーに参加した8人が皮むき間伐の旋風を巻き起こす日は近い♪